強火で進め

このブログではプログラム関連の記事を中心に書いてます。

「福島GameJam in 南相馬」に参加してきました - (3) ゲーム開発〜打ち上げ

さてさて、遂にメインのゲーム開発についての話を書きます。



会場はこの様な感じ。人数分のLANケーブルが用意されていました。




2階も有り、ここから撮影も可能。



会場から廊下をみた風景。2日目にはここに試遊用のノートPCが並んだ机が並びました。

開会式

まずは最初に開会式、今回作成するゲームのテーマが「つながり」と発表されました。

引き続き、チームを発表。チームは事前に送った使用可能な言語やツールの情報を元にバランスを考えられて作成されています。

自分はUnityのリージョナルディレクターである大前さんと同じチームになりました。大前さんは今まで講演などで遠くから何度か拝見していましたが実際にお話をするのは初めてでした。

チーム構成は東京からの参加の3人のおっさん(自分も含む)、東京から参加の学生(女性)、仙台から参加の学生(女性)という構成のチームでした。

おっさん勢がプログラムを担当、女性陣2人がグラフィックを担当です。



共催のUEI(ユビキタスエンターテインメント)さん提供のTシャツとミネラルウォーター。



出発当日にニコニコ本社で購入したおみやげ。仙台からも参加者が来ると聞いていたので東京らしいものをと思って準備しました。



サイバーエージェントさん提供のミネラルウォーター。積むとこんな感じ。



エンターブレインさんより提供の栄養ドリンクなど。

アイディア出し

テーマに合ったどんなゲームを作るかをそれぞれが考えて発表。しかし、誰のアイディアも「コレだ!!」と言ったものが無く、周りでは既にアイディア出しが終わってゲーム作成に取り掛かっているチームも出て来る中でアイディア出しはかなり難航しましたが「ぷにぷりしたヤツが泣いてるヤツを笑顔にしながらゴールを目指すゲーム」という文字にするとどんなものか全然想像出来ないゲームを作る事に決定しました。



地元のアイス屋さんからのオヤツの差し入れ。

ゲーム制作

まずは自分が「Playerの動き&マップ」を作成する事に。以前のエントリーにも書いた様なテキストファイルからレイアウト情報を読み込みレイアウトする様なプログラムを作成しました。

テキストファイル(TextAsset)からレイアウト情報を読み込む - 強火で進め
http://d.hatena.ne.jp/nakamura001/20110713/1310526660

すると大前さんから「Unityで作ってるのに何で直接配置しないの?」というよく考えたらもの凄くもっともな疑問について質問を受けました。

うーむ、自分は旧来の作り方で頭が凝り固まっててUnityに向いてない作り方をしてたんだなぁ。と気が付かされました。

UntiyのIDEの作りだとテキストファイルからレイアウト情報を読み込むよりかはUnity上で直接レイアウトをした方がかなりUnityの恩恵を受けれますからね。逆にテキストファイルから読み込んじゃったらその辺りの恩恵のかなりの部分を放棄する事になっちゃいます。

その為、その後は頂点へのスナップなどを活用してUnity上で直接レイアウトを設計しました。

この事も含め、今回大前さんと同じチームなったお陰で色々とUnityについて勉強させて貰いました。

初日は流石にまだ、そんなに制作が進んで無いので見学に来られた方もゲームをやりにでは無く制作風景を見に来られていました。しかし、となりのチームはキャラクターの画像はまだ仮のものみたいでしたが既にゲームパッドである程度遊べるところまで出来ていました。

そして、会場に来ていた兄弟らしい男の子2人が楽しそうに遊んでしいました。
「まだ、キャラクターが動かせれる程度なのにあんなに楽しそうに遊んでくれた」「ゲームってあんなもんで(複雑な要素が無くてシンプルなもので)、良いだよね」などの話を横で聞きながら「そうだよな小さい子供達が遊ぶんだからその辺り気にしながら作らないとなぁ」などと思っていました。

とこの時は思っていたにも関われず、最終的にはちょっと難し目のステージ作っちゃたりもしたんですけどね(^_^;) まぁ、最終的にバランスを取ってそのステージは後のほうのステージになったので多分大丈夫だとは思うのですが…

作ってると自分が上達しちゃってついつい難易度あげちゃう事になるので気を付けないとですね。

1日目終了間近

会場に貼り出されていたスケジュールを見ると「お休みアルファー」発表会というアルファー版の発表をする時間が23:00から有りました。その後の予定には「おはようベータ」発表会が翌日の朝8:00からでした。

この不思議な予定表に気が付いた人からは「お休みアルファー」が23:00からで「おはようベータ」が8:00からってそれ俺たちに……… と言う言葉が上がってたりしてました。

自分のチームの状況としては概ね問題ないけど1ヶ所バグが有って、だれも口にこそ出しませんでしたが「そこがベータの時点で直ってたらいいよね」という雰囲気が有りました。

大前さんはメインプログラマーとしてそのバグの箇所は取り敢えず後にして他の重要な部分をガシガシ作成した後、お休みに。

自分もそろそろ寝ようかなと思いかけた所でもう一人のプログラム担当の方に今やっている作業を聞くとそのバグ修正をしてるとの事。ちょっと眠いけどこれは気合を入れてこれを解消してから眠るかな?と思い直し、一緒にバグ修正を開始しました。

しかし、バグ修正はかなり難航してもう一人のプログラム担当の方もお休みに。

他のメンバーは色々とチームに貢献してるのに自分は余り貢献出来てなかったがずっと気になっていた事もあり、かなり眠気レベルは上がっていましたがコーヒーなどを飲みつつ何とか引き続きバグ修正を続けました。

その後、何とかバグ修正が完了。完了後は直ぐに眠りに落ちました。

2日目

自分が起きた時は他のメンバーは全員起きて作業開始を開始していました。

バグ修正の件について「ありがとう、助かったよ」と言われてこれで多少は貢献出来たかな?と思ったりしました。

「おはようベータ」まではまだ時間が有ったのでステージ作成などを開始。

「おはようベータ」も無事完了し、昼くらいには子供たちも会場に続々登場。

開発現場の会場のすぐ外からは楽しそうに遊ぶ子供の達の声がしていました。

ちょっと気になって他のチームのゲームのチェックも兼ねて様子を見に行きました。展示されているゲームを見ると結構、協力プレイが必要なものや同時に遊んで競う様なタイプのゲームが有るみたいで親子や兄弟で楽しそうに遊んでいました。


2日目のおやつ。相馬銘菓「野馬追い日記」を頂きました。

2日目夕方

引き続き、ステージ作成やゴール関連の処理などをしているプログラマー陣に対して、デザイナー陣は既に画像データの作成は完了している状態でした。

そこで大前さんから「音楽やSEつけよっか」との提案。後で聞いた話だとこの時に初めてGarageBand(Macに付属している音楽制作アプリ)を触ったそうです。完成した音楽の出来が良かったのでその話を聞くまではてっきりどっかのサイトからフリー素材を探して来てたのだと思っていました。

最終的に音楽やSEを作った後にも時間が余っていたのでオープニングとエンディング用に動画を作成する事に。そちらもしっかり仕上げていました。「うーむ、学生デザイナー2人とも優秀だなぁ。この優秀さと熱心さなら簡単にゲーム会社に就職できるんじゃない?」と思ってたりしました。

開発の時間終了

開発の時間が終了し、出来上がったものを廊下のデモ機にインストールする様にとの指示が。自分達のチームは無事作業が完了し、作業途中だったステージは入れる事ができませんでしたが無事ゲームが完成しました。

廊下ではまた子供達の楽しそうな声がしていました。ちょっと見に行きたかったのですが完成品をネットに公開する作業を行っていたので残念ながら見に行く時間は取れませんでした。

完成発表

それぞれのチームが完成したゲームを実際にプレイしながら解説をしました。どのチームも個性的なゲームばかりでした。この辺りは詳しくはUstreamをご覧下さい。

今回作成したゲームはこちらのページで游べます。

自分の参加したチームの作品はこちらです。

南相馬チーム3 [fgj11wiki]
http://fgj11.ecloud.nii.ac.jp/dokuwiki/doku.php?id=%E5%8D%97%E7%9B%B8%E9%A6%AC%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A03

打ち上げ

せっかく、なのでと打ち上げを兼ねて飲みに行くことに。この時22:00くらい、23:30くらいまで飲んでたかな?なんだか一瞬で終わっちゃた印象でしたがw

打ち上げをやったお店では「やっぱり30時間は短いよねぇ」「いや、もっと短い時間でも作る。だけど徹夜でとかはキツいので24時間とかは無しで」「子供達の絵、どこに使おうか苦労した」などの話が上がっていました。ここでの「子供達の絵」とは今回、小中学校にドット絵の制作を依頼して出来上がった絵をゲームの中で使おうというコラボレーション企画で集まった絵の事です。会場でその場で書いてもらったりもしていた様です。

打ち上げの中でもっとも印象的だったのが「子供達が本当に目をキラキラして楽しそうに遊んでくれてるんだよね。あれ観ただけでもう本当に来て良かったと思えた」という言葉でした。

自分も小難しい話は取っ払って子供達が笑顔になる時間が作れただけで本当に来て良かったと思いました。「最近はイベントも自粛、自粛でこういうイベントは有り難いです」と言われていた親御さんの話も印象的でした。会場となっていたゆめはっとにも「払い戻しします」と貼り出されており、色々なイベントが中止になったんだろうなぁというがうかがい知れました。


翌日は月曜日ですし、明日も忙しいだろうと思うのですが市議会議員の但野さんなど今回開催に尽力して下さった地元の方々も参加され、大いに盛り上がりました。

「また、やりたいね」「来年またやるかぁ」「また開催したらここに居るみんな、全員参加ね」などともう開催が決まったかの様な盛り上がり具合でした。もちろん、自分も次回の開催が有った是非参加!!とは思ってますがw

将来、「このイベントをきっかでゲーム業界を目指しました」という話を聞けるを楽しみにしながら南相馬市を後にしました。

今回、参加を決めるまでは色々と思うこと有りなかなか参加を決める事が出来ませんでしたが実際に参加してみるとニュースで伝わってくるのとはまた違った「結構復興してるんだなぁ」「でもまだまだ復興してない部分も多いなぁ」などと現地のリアルな状況を実感できました。

また、実際に地元で頑張られている但野さんなどにお会いした事により、これまでは何となく曖昧な感じの「震災で大変な東北に何か力になれる事しないとなぁ」という思いから「あの様に頑張っている人達に助けになる事をしよう」とリアルに顔が思い浮かぶ状態で協力できるようになりました。

もろもろを含め、本当に開催に向け尽力された方々に感謝します。ありがとうございました!!

Ustream

09:00辺りから今回のイベントが開催されるきっかけなどの話。

福島会場でのUstremのアーカイブはこちら

Fukushima Game Jam -official channel-
http://www.ustream.tv/channel/fgj2011/videos

他の参加者の書かれたブログ記事など

福島GameJam in 南相馬 (Creatiblog:310326)
http://blog.310326.com/2011/08/gamejam_in.html

wise9 › 福島GameJamはこうしてはじまった
http://wise9.jp/archives/3900

fly daruma to the sky to galaxy « Nakanaka's Blog
http://nakanaka0.wordpress.com/2011/09/02/fly-daruma-to-the-sky-to-galaxy/

福島GameJam in 南相馬 | * mogirl *
http://mogirl.atelieraandg.com/?eid=1088919

関連ニュース記事

河北新報 東北のニュース/ゲーム即興開発 福島から世界へ 南相馬でイベント
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/08/20110829t65012.htm

但野さんのインタビューなども掲載されています。

30時間ぶっ続けで“つながる”ゲームをつくる! 『福島Game Jam in 南相馬』を開催【前編】
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/054/54066/

30時間ぶっ続けで“つながる”ゲームをつくる! 『福島GameJam in 南相馬』を開催【後編】
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/054/54350/

日々是遊戯:30時間で人はゲームを作れたのか!? 「福島GameJam」全作品を振り返る (1/4) - ITmedia ガジェット
http://gadget.itmedia.co.jp/gg/articles/1108/31/news015.html

IGDA日本主催「福島GameJam in 南相馬」参加レポート - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110831_474097.html?ref=twitter

ゲームが被災地の復興に貢献できること 福島の開発イベントが伝えた熱意 :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/tech/personal/article/g=96958A88889DE1E6E1EBE1E6EAE2E1E2E2EAE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2E7

30時間でゲーム開発、「福島ゲームジャムin南相馬」で子どもたちと合作してきたよ(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20110901/E1314788443584.html